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「刑事の勘」による逮捕で冤罪 男性保釈までの326日間

2023年11月、名古屋市中区のマンションで古物商の男性が遺体で発見された事件に関連し、当時24歳の元ホストクラブ従業員・小山直己さんが「死体遺棄」の疑いで逮捕された。逮捕の決め手は、愛知県警中署の刑事が「長年の勘」で小山さんを犯人と断定したことだった。しかし、物的証拠や明確な共謀の証拠は乏しく、取り調べでも小山さんは一貫して無実を主張した。

事件の概要

•発見日時:2023年11月21日

•場所:名古屋市中区新栄のマンション

•被害者:阿部光一さん(42歳)

•遺体の状況:寝室のクローゼット内で、毛布に包まれ、手首をロープで縛られ、頭部は白いポリ袋で覆われていた。遺体は全裸で、発見時には腐敗が進んでいた。

内田明日香容疑者(29歳)

•被害者の古物店「おたからや名古屋栄店」の元従業員。

•事件後、阿部さんのSNSを操作し、生存を装っていた。

小山直己容疑者(当時22歳)

•名古屋市中区新栄1丁目のホストクラブ「MENS」に勤務し、源氏名「ミカ」でナンバーワンホストとして活動。

•内田容疑者と7月ごろに店で知り合ったとされる。

事件の経緯

•2023年7月頃:内田容疑者が小山容疑者の勤務するホストクラブを訪れ、知り合う。

•9月末~11月21日:阿部さんの遺体が自宅マンションのクローゼットに遺棄される。

•11月20日:阿部さんの親族がSNSでの不審なやり取りに気づき、行方不明者届を提出。

•11月21日:警察が阿部さんの遺体を発見。

•12月10日:小山容疑者が死体遺棄容疑で逮捕される。

小山直己被告の裁判
•名古屋地裁は、小山被告に対し「犯罪の証明がない」として無罪を言い渡した。
•小山被告は逮捕当初から一貫して無罪を主張しており、判決後、「証明されて安心した」と述べた。

逮捕から保釈まで

小山さんは逮捕から326日間勾留され、その間、保釈請求は繰り返し却下された。最終的に裁判所は無罪を認定し、小山さんは保釈されたが、長期の勾留による精神的・社会的な損害は計り知れまない。この事件は、日本の司法制度における「人質司法」や「自白偏重」の問題を浮き彫りにしている。
小山さんは読売新聞の取材に対し、「無実の罪を生み出さない捜査を」と訴え、今後は国家賠償請求なども検討していると述べている。



この事件に関する詳細な報道は、以下のリンクからご覧いただけます。

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