2025年5月20日に開催されたGoogle I/O 2025において、Googleは最新のAIモデル「Gemini 2.5 Pro」とその新機能「Deep Thinkモード」を発表した。これらの発表は、GoogleのAI技術の進化と、より高度な人工知能(AGI)への道を示すものとして注目されている。
Deep Thinkモード
「Deep Think」は、Gemini 2.5 Proに搭載された新しい推論モードで、複雑な問題に対して複数の仮説を並行して検討し、最適な解答を導き出す能力を持つ。この機能により、AIはより深い思考と分析を行うことが可能となり、数学やプログラミングなどの高度なタスクで優れた性能を発揮。実際、Deep Thinkは2025年の米国数学オリンピック(USAMO)で高得点を獲得し、競技プログラミング評価「LiveCodeBench」やマルチモーダル推論テスト「MMMU」でもトップの成績を収めている。
Gemini 2.5 Proの主な強化点
•ネイティブ音声出力:感情を認識し、自然な対話を実現する音声応答機能を搭載。
•セキュリティの強化:ユーザーデータの保護と安全なAI利用を実現。
•Project Marinerとの統合:複数のタスクを同時に処理するマルチタスク能力を提供。
•開発者向けツールの拡充:「思考予算」やMCP(Model Context Protocol)など、開発者がAIの思考深度やリソース管理を制御可能に。
AI Ultraプラン
Googleは、月額$249.99の「AI Ultra」サブスクリプションプランを発表。このプランでは、Gemini 2.5 ProのDeep Thinkモードを含む最先端のAI機能にアクセスできるほか、以下の特典が含まれます
•Flow:テキストや画像から動画を生成するAIベースの映像制作ツール。
•Project Mariner:最大10のタスクを同時に処理するAIプロトタイプ。
•YouTube Premium:個人向けのYouTube Premiumサブスクリプション。
•30TBのクラウドストレージ:Google Photos、Drive、Gmailで利用可能な大容量ストレージ。
このプランはまず米国で提供され、順次国際展開が予定されている。
今後の展望と安全性への配慮
Deep Thinkモードは現在、信頼できるテスター向けに限定的に提供されており、広範な展開に先立ち、安全性評価と専門家からのフィードバックが行われている。Googleは、AGI(汎用人工知能)の実現に向けて、推論、世界モデル化、創造性といった能力の向上を重視しており、Gemini 2.5 Proの進化はその一環と位置付けられている。
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