２０２５年５月１９日の参議院予算委員会で、日本維新の会の柳ヶ瀬裕文議員は、外国人による国民健康保険（国保）の保険料未納が年間約４０００億円に上るとの試算を示し、「日本国民の税金で立て替えている」と指摘した。この発言は、国保制度の持続可能性や公平性に関する議論を呼んでいる。
試算の根拠と背景
柳ヶ瀬議員によると、外国人の国保未納額が年間約４０００億円に達するとのことですが、この具体的な試算方法やデータの出典については明らかにされていない。ただし、国保制度全体の財政状況を考慮すると、未納問題が深刻化している可能性がある。
国保は、主に自営業者や非正規労働者、退職者などが加入する制度で、保険料収入の不足を補うために、国や地方自治体の一般会計からの繰り入れが行われている。これらの繰り入れは、法定外繰入と呼ばれ、２０１２年度には全国で約３８８２億円に上った。このような財政構造の中で、外国人の未納問題が注目されていると考えられる。
地方自治体の事例：新宿区
柳ヶ瀬議員は、新宿区の例を挙げ、単身外国人世帯や世帯主が外国人の世帯では、保険料の未納率が高いと指摘した。具体的な数字は示されていないが、都市部では外国人住民の増加に伴い、国保の運営に影響を及ぼしている可能性がある。
制度の課題と今後の対応
国保制度は、加入者の所得水準が低く、医療費水準が高いという構造的な問題を抱えている。そのため、保険料の未納が制度の財政を圧迫する要因となっている。外国人の未納問題についても、制度の持続可能性や公平性の観点から、適切な対応が求められる。
今後、国や地方自治体は、外国人住民への保険料の適正な徴収や、制度の周知徹底を図るとともに、国保制度全体の見直しを進める必要がある。また、外国人労働者の増加に対応した社会保障制度の整備も重要な課題となるでしょう。
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