カバー株式会社の谷郷元昭社長(通称YAGOO)は、2025年5月13日に開催された2025年3月期通期決算説明会において、ホロライブ所属VTuberの卒業が相次いでいる現状について詳細なコメントを発表した。
背景と社長の見解
谷郷社長は、2017年にVTuber事業を開始し、2018年にホロライブ1期生がデビューしてから6年以上が経過したことを踏まえ、タレントたちのキャリアプランや人生設計に変化が生じるタイミングであると述べた。彼は、「タレントそれぞれに個別の事情がある」と強調し、「同じ理由で卒業するということではない」と明言している。
また、卒業理由として「カバーとの方向性の違い」が挙げられるケースがあることについても触れ、タレントの個別の事情を尊重する姿勢を示した。
経営体制の見直しとコミュニケーション強化
谷郷社長は、経営体制の変更により自身の行動の自由度が増したことを明かし、タレント一人ひとりと直接対話を重ねることで、現状や今後の展望を共有し、コミュニケーションのすれ違いによる卒業を防ぎたいと述べている。
また、タレントをサポートするために、マーチャンダイジングやライセンス、営業などの体制を整える必要があるとし、会社としても進化を続けていく意向を示した。
新規タレント発掘と今後の展望
新規タレントの加入については、現時点で具体的なコメントは控えるとしつつも、既存の人気タレントがより活躍できる環境を整えることに注力すると述べた。例えば、YouTubeチャンネル登録者数400万人を突破した宝鐘マリンさんが次は500万人を目指して活動していることを挙げ、VTuberがさらに登録者を増やし、よりメジャーな存在になる可能性があると期待を寄せている。
また、タレントの新規発掘についても中長期的には必要であるとし、今後の展望として既存タレントの成長と新規タレントの発掘の両立を図る方針を示した。
企業としての成長と人員拡大
カバー株式会社の2025年3月期通期決算では、売上高が前年同期比43.9%増の434億100万円、営業利益が同44.5%増の80億100万円、純利益が同34.4%増の55億5900万円と、増収増益を達成した。また、従業員数も前年の509人から679人に増加しており、今後は人員の再配置や既存人員のパフォーマンスの最適化に注力する方針。
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